【台北=龍元秀明】世界最大の半導体受託生産会社(ファウンドリー)である台湾積体電路製造(TSMC)が18日発表した2024年1~3月期決算は、純利益が前年同期比8.9%増の2254億台湾ドル(約1兆円)、売上高は16.5%増の5926億台湾ドルだった。いずれも同期としての過去最高を更新した。

生成AI(人工知能)向けなど先端半導体の受託生産が好調だった。半導体市況が低迷した23年12月期は前の期比で14年ぶりの減収となっていた。1~3月期は4四半期ぶりに増収増益となり、成長軌道に戻った。

TSMCは半導体の受託生産で世界シェア6割を占める最大手。米アップルや米半導体大手エヌビディアなどが主要取引先で、販売額ベースで7割ほどの顧客が北米に集中する。

TSMCはAI向け半導体の設計・開発で躍進するエヌビディアから主力製品の生産を独占的に請け負っている。スマートフォンやパソコン向けが回復途上にあるなかで、生成AI向けの旺盛な需要が1~3月期の成長を支えた。

技術世代別にみても、1~3月期はAI向けで主に使われる回路線幅4~5ナノ(ナノは10億分の1)メートルの先端半導体が売上高の37%を占め、好調だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM166Z50W4A410C2000000/