取材の待ち合わせ場所として指定されたのは、東京大学駒場キャンパス内の、とある校舎裏。約束の時間を20分過ぎて、「東京大学だめライフ愛好会」を主催する、教養学部の白川さん(仮名、20代前半)が焦った様子でやってきた。

「すみません、この後ここで新歓の鍋パーティーを行うので、ブルーシートを取ってきます!」

 そう言い残すと、さっそうと走り去っていった。

 引き続き、待つこと10分。戻ってきた白川さんはいそいそとブルーシートを広げはじめたが、シートの一部がビショ濡れだったり、炭酸飲料のペットボトルを放り投げては一人慌てたりと、早くも“だめ”っぷりが垣間見える。

 取材ということで校舎内で応じてもらえるのかと思いきや、そんな素振りはないので、記者もブルーシートの上にお邪魔して話を聞くことにした。

 白川さんによると、会の歩みは、ざっくりと以下の通りだ。

 昨年春ごろ、中央大学のだめライフ愛好会が、自動販売機の下に落ちている小銭を拾う活動をX上で報告していた。それに触発された白川さんは、仲間うちで東大キャンパス内の自販機を回って“小銭あさり”を決行。500円玉を落としても放っておく人がいる現実に驚きつつ、計1000円以上を回収した。https://dot.asahi.com/articles/-/219562?page=1