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エクソル、新城市の古戦場エリアに太陽光を建設、地域自治区と合意
エクソル(東京都港区)は4月16日、愛知県新城市八束穂区の太陽光発電事業計画について、地域住民から賛同が得られたとして建設を決定したと発表した。八束穂区と約半年にわたって協議を重ね、「周辺環境の保護および景観の保全」「地域への貢献」といった内容を記載した協定書を4月1日に締結した。

 同事業の事業用地は、古跡「長篠の合戦の跡地」に属し、馬防柵の復元場所にも近い場所にある。そのため、歴史的な背景や景観の観点から、地域住民などで構成される「設楽原をまもる会」をはじめ、太陽光発電の建設に反対する声が挙がっていた。

 同社は、2023年10月に住民説明会を開催し、計画を強引に推進する意思はなく地域住民の総意に従いたいと説明した。参加者からは、歴史的な背景や景観の観点で懸念する声のほか、停電時における電源供給、当該地の地権者など土地管理者が抱える高齢化などに伴う土地管理の問題などについて意見が出された。

 住民説明会の後、八束穂区は、協定書の草案を作成することを提案し、設楽原をまもる会とも相談しながら内容を検討した。同社と八束穂区は、完成した草案を基に継続的な協議を実施し、2024年2月に協定書の内容について合意が取れたという。

 協定書は、具体的には「フェンスの色彩や外観を馬防柵側からの眺望に配慮し、景観に調和する」「災害等によって地区内で停電が発生した場合、非常用電源として電力を供給する」「事業の余剰地は馬防策等の観光ガイドおよび駐車場用地として使用する」といった、住民説明会での意見を踏まえた内容を盛り込んだ。

 建設する太陽光発電所は、敷地面積1704m2で、太陽光パネルの出力102.3kW、連系出力49kWの低圧事業用案件になる。固定価格買取制度(FIT)およびフィード・イン・プレミアム(FIP)は取得しない。6月末〜7月初旬に着工、2週間程度で完工する予定。完成した太陽光発電所は売却する計画だが、売却先の事業者も協定書を引き継ぐ。