政府が「誤情報」常時監視へ 6月に閣議決定 感染症対策の一環で 言論統制の恐れも
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3f254e04210d70d1ef19972183bfbabdc6e9e246

政府が感染症対策の名のもとに「偽・誤情報」のモニタリング(監視)を行う方針であることが、4月24日公表された「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案で明らかとなった。未知の感染症が発生したかどうかに関係なく、平時から「偽・誤情報」の監視を実施する。SNS等のプラットフォーム(PF)事業者に削除等の対処を要請することも想定している。

 これまで、政府関係機関が「偽・誤情報」を監視し、PF事業者に対処を要請するための法的根拠はなかった。今回それを明記する政府行動計画は、新型インフルエンザ等対策特別措置法6条を根拠とする文書(法定計画)で、正式に決定されれば、政府・関係省庁が「偽・誤情報」の監視や対処要請を実施する法的根拠となりうる。国会の審議や承認は必須とされておらず、岸田内閣は6月中に閣議決定し、実施する方針だ。

 罰則などの強制力はないが、対策の実施方法によっては表現・言論の自由に対する侵害や萎縮をもたらすおそれがある。
 政府はコロナ禍の緊急事態宣言の時から、明文の法的根拠がないまま、PF事業者などと協力して偽情報対策を始めている。ただ、大手PR会社と取り組んできた偽情報対策の実施内容に関する情報公開を拒んでいる。

 偽情報対策を進めるにあたり、実態把握や検証が可能になるよう、実施状況の透明化が求められる。