「過去最多の犯罪件数」を減らすにはどうすべきか…英ブレア政権が本当にやってしまった最悪のルール変更

■「犯罪以外の騒動」に分類し直す

背中を刺された人が発見された場合、犯罪が起こったことはほぼ間違いない。
だが、正面を刺されている人だったら、自分で刺した可能性もあるのではないだろうか。
認知件数を減らすための目標設定は、犯罪の認知を減らそうとする明確な動機づけになる。
そうして、対応した事態を「犯罪ではない」と記録するか、犯罪と定義される事態以外のなんらかの騒動に分類すれば、犯罪の認知件数を減らせるのだ。

こうしたやり方を、犯罪学者たちはウサギを袖口(cuff=カフ)に入れて消す手品師の技にちなんで「カフィング」と呼んでいる。

■数値目標の設定で救急車が来なくなった


また、「救急車は呼ばれてから8分以内に到着する」という目標が設定されたとき、一部の救急サービスでは次々に入る出動要請により速く対応するために、救急隊員をバイクや自転車で向かわせた。
ところが、病院に搬送する必要があると判断された患者の場合、バイクで運ぶのはとうてい無理なことから、待ち時間がかえって長くなるという結果となってしまった。

https://president.jp/articles/-/80910