能登半島地震4カ月 解体終了は想定の1%以下、建物の未登記が壁に
5/1(水) 5:00配信

朝日新聞デジタル
商店街のあちこちで進む公費解体。隣の建物に影響が出ないよう、慎重に衣料品店を取り壊していた=2024年4月17日午後2時8分、石川県穴水町川島、上田真由美撮影

 能登半島地震の発生から1日で4カ月になった。石川県内では、住宅や店舗などの建物約4万8千棟が全半壊し、県はうち約2万2千棟が解体の対象になると見込んでいるが、復興の前提となる公費解体が終わったのは、緊急解体を含め88棟(4月22日時点)。自費解体を加えても計131棟と想定の1%以下にとどまっている。

【写真】地震直後と地震4カ月後の街の姿を上空から比べました

 公費解体は、自治体が所有者に代わり、被災した建物を解体・撤去する制度で、能登半島地震では半壊以上の建物が対象になる。県内の市町は2月以降、住民からの申請を受け付けており、申請棟数は16市町で計8528棟(4月22日時点)に上る。

 解体するには、建物の所有者を確かめる必要があるが、被災地では、代々同じ場所に住み続けている家族が多く、名義が2~3代前のままという「未登記」のケースがある。所有権が移転されていない場合、解体には相続の権利がある関係者全員の同意が原則必要なため、申請や審査に時間がかかっている。

 県は、1班4~5人の解体班を500~600班確保したとして、来年10月までに2万2千棟の解体を終える計画を立てている。

 だが、県構造物解体協会の幹部は、水道などのライフラインが十分に回復していない状況などから、600班が同時に作業できるようになるのは今秋とみており、「来年10月に解体をすべて終えるのはきつい」と話している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/27914d55cba60f9a5469c1cd71f674888ed89e4f