セミの体を内側から食い荒らし、オスメスお構いなく交尾させるマッソスポラ菌

米国でこの春、セミが大量発生する。今年は南東部から中西部までの17州で、13年ゼミと17年ゼミの大集団の周期が221年ぶりに重なるからだ。長い地中生活のあとセミたちが地上に出てくる目的は、交尾相手を見つけ、死ぬこと。ただそれだけだが、そのセミたちを食い物にしようと待ち構えている菌がいる。セミの体を内側から食い荒らし、宿主を性行為に取り憑かれたゾンビにしてしまうマッソスポラ菌だ。

過去に発生した周期ゼミを観察した科学者たちは、この真菌がセミの体を乗っ取り、交尾行動を通して感染を広げるためだけにセミを生かしていることを明らかにした。

 マッソスポラ菌研究の第一人者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)のマット・カッソン氏は、マッソスポラ菌に感染したセミを「空飛ぶ死のソルトシェーカー」と呼ぶ。ポッドキャスト「Overheard at National Geographic(ナショナル ジオグラフィックで小耳にはさんだ話)」で、2021年にカッソン氏がしたマソスッポラ菌の話を紹介する。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/050100244/?ST=m_news