日本政府・日銀が最近、大規模な為替介入を実施したと考えられているが、サマーズ元米財務長官は為替相場を動かす手段としての介入は効果が薄いと述べた。

「資本市場の巨大さを考えれば、日本が実施したとされる規模でさえも介入は効果をもたらさないことは明らかと言えよう」とサマーズ氏はブルームバーグ・テレビジョンで発言。「民間セクターの資本フローが大きさで圧倒しているからだ」と続けた。

ハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンに定期的に出演する同氏は「為替相場が通常の水準から大きくかい離すると、国家は介入する傾向がある」と指摘。「相場はその後、反対方向に動くことがある」として、「円相場が現行水準からさらに下がると確信を持って予想するのは避けたい。どちらの方向にも動き得るからだ」と述べた。

サマーズ氏自身、財務省在任中の1990年代と2000年には主要7カ国(G7)によるユーロ買い協調介入を監督した経験がある。

「円が上昇したとしても、それは介入効果というより、これまでの動きに対する『反動』による部分の方がずっと大きいだろう」と述べた。

同氏はまた、米経済においては為替レートに由来するディスインフレの衝動を見落としている専門家が多いとも指摘。

「今のドルは極端に強い」とし、「実際のところ、ドルは単に強いだけではない。ドルは強さを増している」と発言。「それが米経済にディスインフレのバイアスを与えている」と説明した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-03/SCX51AT0AFB400