ロシアの侵略を受けるウクライナ国防省情報総局のバディム・スキビツキー副局長は2日の英誌エコノミストのインタビューで、露軍が制圧を狙う東部ドネツク州の要衝チャシフヤールに関し、陥落は避けられないとの見通しを示した。「我々には武器がない」とも述べ、米軍の軍事支援が再開されても当面は苦境が続くとの認識を示した。

チャシフヤールを巡る情勢に関し「陥落は時間の問題だ」と悲観的な分析を明らかにした。陥落時期については「今日か明日の話ではないが、我々の備蓄と物資次第だ」と述べた。チャシフヤールは高台に位置しており、露軍が制圧すればウクライナ政府が管理するドネツク州の主要都市が砲撃対象となる。

スキビツキー氏は露軍が5月末~6月に着手すると取りざたされている大規模な攻勢に向け、約51万4000人の兵士を投入しているとの見方も示した。東部ハルキウ州などへの攻撃が考えられるという。州都ハルキウに露軍が迫るシナリオもあり得ると指摘した一方で、完全な占領には露軍の「兵力が不十分だ」と分析した。

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