わが国に来日して難民認定申請する外国人はコロナ禍が終わると大幅に増え、昨年は1万3823人となった。これは民主党政権の政策変更により激増した2017(平成29)年の約2万人に次いで過去2番目の多さだ。21世紀に入り急増した難

スリランカ人は過去5年間の難民申請者数でも国籍別で最多の6336人だった。大半がクルド人とみられるトルコ国籍者の5528人も上回る。この間、入管庁が難民と認めたスリランカ人は2人だけだった。

南アジアの国スリランカは人口約2200万人。09年まで続いた内戦終結後も、19年に日本人も犠牲になった連続爆破テロ事件が起きるなど、観光産業が主力の経済は疲弊、多くの人が職を求めて国を出た。

難民申請者はスリランカのほか、トルコ、パキスタン、インド、カンボジアなどのアジアと、アフリカのナイジェリア、コンゴ民主共和国など特定の十数カ国に集中。昨年の申請者数は上位5カ国で全体の3分の2、上位10カ国で8割を超えた。

一方で、入管庁が2019年、難民申請を認めなかった人の主な申請理由を調べたところ、全体の約37%は「本国の知人や近隣住民、マフィアとのトラブル」だった。

他は「本国の治安に対する不安」「日本で働きたい」「遺産相続や夫婦げんかなど親族間のトラブル」「健康上の問題や日本での生活の長期化など個人的な事情」で、難民条約上の「迫害を受ける恐れ」とは無縁な理由ばかりだった。

入管関係者は「申請者の中には、あくまで『日本滞在』が目的で、理由は後から考えるという人も少なくない」といい、アフリカのある国で「部族の王になれと言われて逃げたきた」という人、「のろい殺すと言われたから逃げた」という「呪術難民」と呼ばれる人もいるという。

https://www.sankei.com/article/20240512-GAWTE5Y5ZJJDPFUN2V5TUPK52U/