
2024-08-27
■産後の恨みは一生、らしい
長女が先日20歳になった。
成人は定義上は18歳だが、やはり20歳になるといよいよ成人という感じがする。
特に大学生になってから、娘が家にいない時間も増え、バイトなんかをして自分のことを自分でやりくりし始めるようになったからか、いよいよ子供というよりも1人の大人として見られるようになった気がする。
そんなことを感じていたこともあって、先ほど妻と2人になったタイミングでふと「ようやく、『育て上げた』って感じがするなあ」としみじみと呟いた。
てっきり妻も同意してくれるものだと思って発したのだが返事はなく、妻の方を振り向くと微妙な面持ちをしていた。
妻はあまり自己主張をしないタイプで、だけれども器用に誤魔化すタイプでもない。何か思うところがあるのは明白だった。
妻を問いただしたところ、「正直、あなた(夫婦間では下の名前で呼び合っている)と育てたという感覚はないし、自分が育てたような気持ちになられるのも不愉快だ」という旨のことを言われた。
そんなこと思ってもいなかったし、正直かなりショックだった。
長女を身籠ったタイミングで妻は退職し、それからは専業主婦として家のことを任せていた。
長女を含め、3人いる子供のことも主には妻に任せていたのは事実だ。
だけれども、専業主婦+3人の子供を抱えても不自由がないくらいには稼いできたつもりだし、子供のことを考えて会社までかなり遠いこの場所にも引っ越してきた。毎日の通勤は、それまで都心に暮らしていた時と比にならないほどの負担だったが、それでも妻と子供のためならと我慢してきた。
もちろん毎週とは言わないが、それでも余裕があるときは子供を連れて遊びに行っていたし、妻に負担がかかりすぎないように、ある程度は家事も手伝っていたと思う。
体力的にはしんどい日々が続いてきたように思えるが、それこそが父になるということなんだと思っていた。
妻にはその分家のことは任せていたし、その中で妻なりの苦労もあったんだと思う。そんな中でも、妻が体調を崩した日は早退して代わりに家事をこなしたこともあるし、たまに旅行に連れて行ったりと家族サービス(というのも死語かもしれないが)も積極的にしていたと思う。
それにもかかわらず、一緒に育てたと言われたくないと、明確に父親という役割を果たしてきたことを否定されたのは本当に苦しかった。この年でショックで泣きそうになるとは思わなかった。
なぜそのようなことを思ったのかと聞くと、妊娠中に体調が優れなかったのに俺が妻をそっちのけで飲み会に行った話や、夜鳴きがひどかったのに俺が寝ていたこと、3人の子供がそれぞれ別のことで泣き喚いていた時にテレビを見ていたことなんかをつらつらと述べ始めた(文字にすると端的だが、もっと長々と具体的に話された。その割に、振り返ってみると上記の3~4行でまとまるような内容しかなかったな。完全に余談だが)。
確かに上記の個別の事例に関しては俺が悪いとは思う。
だけれども、そんな20年近く前の、いくつかの失敗をもって「一緒に育てたという感覚はない」なんて言えるのかが本当に理解できなかった。
そんなことを言ってしまえば、俺の仕事が本当に回っていなかったタイミングだったのに、妻のプライベートの予定のせいで子供の面倒を押し付けられて結局徹夜する羽目になったこともあったし、妻が長男(当時小学校低学年だったと思う)の遊ぶ行き先を覚えていなかったせいで、夜になっても帰ってこない息子を探すのに手当たり次第に同じクラスのご家庭に電話をかけたりするような大トラブルもあった(後日ご迷惑をおかけした家に謝罪して回った)。
お互いに至らぬところはあっただろうが、それ以上にお互いがお互いのために頑張って、互いに両親としての役割を全うしてきたと思っていたし、だからこそ振り返ってみたときに、2人で子育てをちゃんとやってきたなと言う感覚が俺の中にはあった。
それが妻の中にはなかったらしいというのが本当にショックで仕方がない。
妻があげたエピソード自体も本当に些細な、20年近く前の出来事が2〜3個なのに、それでも俺を父親だと思えないってのが、「産後の恨みは一生」ってことなのかもしれないなと思った。
https://anond.hatelabo.jp/20240827012946
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