一部を抜粋して引用
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経緯
本年6月、朝日新聞のAERAdot.に〈星新一の人生に学ぶ「生きるのが面倒くさい人」の理想の働き方〉という記事が掲載されました。
精神科医である岡田尊司氏の著作『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』(2016年 朝日新書)を宣伝する記事でした。
星新一が回避性パーソナリティ障害(回避性人格障害)であるという岡田氏の診断を前面に押し出すことで、すでに4万部以上売れているという本書を、さらにたくさん売ることを目的としたものです。
朝日新聞出版に抗議をし、このネット記事はすぐに削除されましたが、星新一を無断で診断した書籍(紙および電子)は現在も市販されています。
このたび、刊行から時間のたっている本書を問題とし、見解を公表するにいたったのは、このような経緯によるものです。
精神科医の倫理
岡田氏は、本人を診察することなく、家族や関係者への取材も独自の調査もなく、評伝を1冊読んだだけで、
星新一が回避性パーソナリティ障害および自閉症スペクトラムであると診断し、自身の書籍で公表して利益を得ています。
名誉の毀損
何よりも遺族である私の感情を傷つけるのは、星新一が回避性パーソナリティ障害(推測/誤診)になったのは、母親の愛情が足りなかったことが原因であるかのように書かれていることです。
無断で著名人を診断すること自体が不適切であるのに、その原因をさらに推測で公表し、読者に対して、悪い母親であったかのような誤解をあたえることは、母・精(私の祖母)の名誉毀損と言えます。
