
古代ギリシャの彫刻に「パソコン」が掘られていた?…ネット民騒然
古代ギリシャに、すでにパソコンがあった……? そう思ってしまいそうな彫刻が、ネットで注目を浴びている。
USBポートまで描かれている?
紀元前100年のレリーフ「Grave Naiskos of an Enthroned Woman with an Attendant(侍女を従え横たわる女性の墓碑)」には、その題通り、女性と侍女が彫られている。
侍女が板のようなものを90度に開いて女性に見せているのだが、それがノートパソコンそっくりだ。女性が手を伸ばす仕草も、まるでノートパソコンを開いているよう。
「古代ギリシャ時代から現代にタイムトラベルした人がいたのではないか」「超次元的な存在が、古代ギリシャ時代に未来的な技術を伝達したのではないか」など、陰謀論的な推測がネットで飛び交った。
「横に空いている穴はUSBポート?」「タブレットなのでは?」という声もある。
実はこの彫刻、数年前から度々ネットで話題になってきた。2016年、考古学者のクリスティーナ・キルグローブ氏は米フォーブス誌に、ノートパソコン説を否定する記事を寄稿している。
パソコンではなく、宝石箱
彫刻を所蔵する米カリフォルニア州ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館によると、「実質的なものを収納するには浅すぎるように見えるが」宝石箱だと推測されるという。女性はおそらく、ジュエリーや飾り紐を取り出そうとしている。
箱の側面に空いている2つの穴は、今は残っていない大理石の飾りが固定されていた跡ではないかと考えられている。
女性は、おそらく墓に入っていた故人だ。身につけている装飾品やイスのデザインを見ると、身分の高い人物だったようだ。
「故人が侍者の持つ品物に手を伸ばす描写は、ギリシア墓碑美術において長い歴史を持っている」と美術館は説明する。
「侍者の小柄な体格や短く刈り上げられた髪には、喪服姿の若い親族、あるいは使用人や奴隷であることを示すなど、さまざまな解釈がある。侍者の存在は、家族的なつながりや豊穣さ、もしくは使用人や奴隷を雇う余裕を示すことから、故人の地位をさらに高める役割を果たしている」
肉眼では見えないが、最新の分析では、エジプシャンブルーの塗料がクッションや服などに施されていたことが判明している。
ノートパソコンを開ける侍女
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https://www.pen-online.jp/article/017959.html