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総理大臣に影のように従い、内政から外交まで献策し、時には総理の密命を帯びて外国を極秘訪問することもある。安倍晋三首相と文字通り一心同体となって4年半の政権を支えてきたのが今井尚哉・総理首席秘書官だ。
「今井ちゃんは本当に頭がいいよね。何を聞いてもすぐ答えが出るんだよ」
安倍首相は会う人にそんないい方で今井氏を誉め、「知恵袋」「懐刀」として絶大な信頼を寄せてきた。政権における影響力の大きさは秘書官の立場をはるかに超えており、「官邸の最高権力者」「影の総理」と呼ばれる。
https://www.news-postseven.com/archives/20170904_609500_amp.html
安倍政権の7年8カ月を支えた首相秘書官が今こそ明かす「強い官邸」の作り方、そして財務省へのエール
今井尚哉(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)×牧原 出(東京大学先端科学技術研究センター教授)
牧原 第1次と第2次安倍晋三政権をいずれも首相秘書官として支えられた今井さんに、お聞きしたいことは山ほどあります。そこで私は訊き役に徹して、今井さんの考える「官僚論」を伺いたいと思います。歴代最長となった第2次安倍政権では「安倍一強」と評される政治状況が生まれましたが、あれは実質的には「今井一強」だったのではないかと。
今井 いやいや。もう何を言っているんですか。(笑)
安倍政権が官邸主導で霞が関を支配して、官僚たちが窮屈な思いをしているという批判は何度も耳にしてきましたし、名指しされた身としてはずいぶん悩みましたが、それでも「霞が関支配」なんて全然ピンとこなかったんです。
だいたい私が直接関わったのは平和安全法制や特定秘密保護法といった、安倍さんの宿願であった「戦後レジームからの脱却」に関する政策が主で、その他はそれぞれの所轄官庁から出向してきた秘書官たちとチームを組んで分担して運営していましたから、私には見えていない部分が大半なんです。
略
https://chuokoron.jp/politics/amp/126403_5.html