表向きは「お詫び」を口にしながら

 昨年3月、元西播磨県民局長のX氏(故人)が〈齋藤元彦兵庫県知事の違法行為等について〉と題した文書で、斎藤氏のパワハラなど7つの疑惑を告発してから1年以上が過ぎた。

「県が設置した第三者委員会は3月19日に調査報告書を公表し、調査対象となったパワハラ疑惑16項目のうち10項目をパワハラと認定した。斎藤氏らによる告発者捜しは公益通報者保護法に違反すると指弾。先だって県議会が設置した百条委員会が3月4日に公表した調査報告書より、さらに踏み込んで厳しい評価を斎藤氏に突きつけたものでした」(社会部記者)

 これに対し、斎藤氏本人は当初、「しっかり精査していくという意味で読み込みに時間がかかる」と語るのみで、自身の見解をなかなか示さなかった。そして26日の県議会で、冒頭のように初めて職員に向けた謝罪をしたのである。

「ただ、同日午後の会見ではテープレコーダーのように、1時間に実に30回も『真摯に受け止めたい』と繰り返した。自らのパワハラについても『第三者委で認定されたことは真摯に受け止めたい』と口にするばかりでした」(同前)

 業を煮やした記者から「シンプルにお願いしたい。認めるのか認めないのか」と追及され、絞り出したのが、「パワハラの認定については……認めていきたい」という言葉だった。どうしても第三者委の指摘を認めたくない様子が窺える。

「県職員の懲戒処分指針ではパワハラ行為に対する処分規定があり、実際に斎藤県政下(1期目)でパワハラを理由に減給処分となった職員もいる。ただ今回、パワハラ認定を受けた斎藤氏は自身に対する処分は否定。『襟を正し、しっかり業務は遂行していくのが私の責任』と述べ、辞職も改めて否定しました」(同前)

 表向きは「お詫び」を口にしながら、心が伴っていないように映る「冷血の知事」。県職員が証言する。

「閉会挨拶でのお詫びコメントは、本人の言葉ではありません。部下に指示して作らせたものです」

県幹部を苦しめたトンデモ指令

 斎藤氏は3月19日に第三者委の報告書が公表されて以降、報道陣のぶら下がり取材はのらりくらりとかわしつつ、遅くとも21日には担当の県幹部にこう命じていたという。

「謝りたくない。でも、いかにも謝っているかのように聞こえるコメントを作れ」

 無理難題と言うほかないトンデモ指令は、県幹部を苦しめた。

「そんなことできるわけないだろ……」

※略※

https://news.yahoo.co.jp/articles/932a974d0fb782e71c4cdd3a231ecd326b126693