新たに市販される初の「スイッチOTC睡眠薬」ロゼレム、安全性が高いが心配な一面も
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ジフェンヒドラミンは医療用医薬品としては抗アレルギー薬として開発・使用されており、不眠治療を目的に使われていたわけではない、つまり「不眠症治療薬」として承認されていなかったため「医療用からOTCへスイッチ」という定義に当てはまらない(スイッチ元がない)。また、ドリエルはジフェンヒドラミンの副作用である眠気をあえて不眠対処に用いた、つまり新しい使い方として一般用に開発したという位置づけになる。これらの理由から一般用医薬品として扱われることになった。

 一方、今回、初のスイッチOTC睡眠薬として承認されたロゼレムS(ラメルテオン)は、武田薬品が不眠症治療薬として開発し、2010年に上市されて以来、現在でも医療現場で処方されている「現役の」睡眠薬である。不眠症患者を対象にした新薬治験で有効性と安全性が確認されているなど医療現場での実績がある。

 ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬に分類される。メラトニンは催眠作用や体内時計の時刻調整作用を有する神経伝達物質として知られているが、ラメルテオンは脳内のメラトニンの作用部位(受容体)に結合することで催眠作用を発揮する。医療現場では主に不眠症の入眠困難の治療に用いられている。