
類人猿ギガントピテクス、大きすぎて絶滅していた
大きいことはいいことなのか
ギガントピテクスの繁栄と衰退は、体の大きさによって得られる見返りが、やがて消えゆくことを意味している。
「大きいことは短期的には利点があるものの、長期的にはリスクも伴います」と言うのは、米ボールダー大学のコンピューター科学者で、200万年に及ぶ化石記録から動物の体の大きさを研究しているアーロン・クラウセット氏だ。
体が大きいと、食料が多く必要になるだけではない。「大きいほど、子どもの数が減る傾向があります。つまり、個体数が減り、環境変化に対して敏感になります」とクラウセット氏。その結果、天候や気候の変化によって食料源が脅かされると、体の大きい種は減少し、絶滅に至る。
クラウセット氏は実際、種は大きくなるほど絶滅率が高まることを発見した。ギガントピテクスやオオナマケモノのような巨大動物が、現在の地球上に存在しないのはそのためだ。すべての動物種には、それぞれに見合った大きさの限界がある。
少なくとも哺乳類にはこのストーリーが当てはまるが、恐竜は違う。隕石によるアルマゲドンが起こるまでの長い間、その巨体と繁栄を維持していた。なぜ、ギガントピテクスはそうならなかったのか? クラウセット氏は言う。「哺乳類は温血動物のため、代謝が大きく、摂取したエネルギーの多くを熱に変換するからかもしれません」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO96103950U6A110C1000000/