2024/3/26 国立大法人化20年を聞く(下) 産学の人材交流盛んに 元国立大学協会長(総合地球環境学研究所長) 山極寿一氏
>>177 2024/3/26 国立大法人化20年を聞く(下) 産学の人材交流盛んに 元国立大学協会長(総合地球環境学研究所長) 山極寿一氏
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79500200V20C24A3CK8000/ 2004年に法人化した国立大は10年代に入り、各校の使命の明確化とそれを達成するための改革の加速を求められた。
この20年間が持った意味と今後の課題を元京都大学長で国立大学協会長を務めた山極寿一・総合地球環境学研究所長、
高知大の改革に長く携わってきた桜井克年学長に聞いた。
――学長時代に15年から国立大学協会の副会長、17〜19年に会長を務めました。法人化の功罪は何だと思いますか。
「罪しかない。法人化直後は新しいことができるという希望が満ちていたが、運営費交付金の削減でしぼんだ」
「日本はバブル崩壊後、企業が中央研究所を閉鎖し、大学で学位を取った研究者の行き場がなくなった。
交付金の削減で今度は大学の研究者ポストが減った。事務職員も減り、国が競争的資金を増やす中で研究者は雑用が増えた。
研究者の数と研究時間が減れば当然研究力が落ちる。それが法人化の実態だ」
――何が必要でしたか。
「交付金を減らすなら別の方策を立てるべきだった。例えばドイツのフラウンホーファー研究機構のように
産学協同のための研究所を各研究大学の下につくる、あるいは税制を変え研究への寄付を集めやすくする。
だが対応は大学に丸投げだった。ようやく博士課程学生への支援などが始まったが後手後手だ」