
「就職氷河期世代支援」が盛り上がりを見せている。
年金が少ない、生涯賃金が少ない、未婚者が多い、世代内経済格差が大きい、老後に不安を抱えている、非正規・単身の女性は貧困予備軍である、このままだと生活保護受給者が増える、などなど。こうした問題に対して「とにもかくにも氷河期世代を支援せよ!」「まずは年金改革だ!」といった具合だ。
しかし、なぜ、今なんだ?
過去にインタビューに協力してくれた氷河期世代に、今回の盛り上がりについて意見を聞いたところ、
「結婚して子供を作ろうと思えるうちに支援してほしかった」
「手遅れになってから盛り上がっても意味がない」
「今さら支援されても、税金の無駄遣いと言われるだけ」
「親の介護が現実味を帯びてきた。氷河期世代だけ支援しても意味がない」
「転職したくても履歴に書く肩書すらない。国の支援で肩書がつくのか?」
などなど、「焼け石に水」「今さら感がある」という意見がほとんどだった。
例えば、NIRA総合研究開発機構が公表した報告書「就職氷河期世代のきわどさ」の中で、氷河期世代の将来に向けた支援に言及したのは17年も前の2008年だ。
当時、就職氷河期に増加した非正規雇用者は100万人を上回る規模で残存。低賃金かつ不安定、十分な年金が確保されないままこうした非正規雇用の人たちが高齢化すると、生活保護受給者が増えることが予想され、「20兆円程度の追加的な財政負担」が発生するという試算結果を提示した。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00355/#:~:text=%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%9C%9F