当初は〈トイレがわかりにくい〉や〈入場ゲートが大混雑〉といった不満の声が噴出した大阪・関西万博だが、開幕から1か月が経ち、そういった“炎上”も少し落ち着いてきたように感じられる。

【写真】「キャー!」と若い女性の悲鳴が…小さな黒い虫が柱の上から下までビッシリ

しかし、新たなトラブルが勃発したようだ。X(旧Twitter)での〈今日の大阪万博ヤバいぞ 虫が大量発生〉という投稿が物議を醸している。

当該ポストに添付された画像では、大屋根リングの柱の上から下まで小さな黒い虫がビッシリ……。X上では、〈万博の虫キモすぎる無理〉などと悲鳴が相次ぎ、なかには、〈(万博に)行きたいのに虫がキモすぎて無理〉〈万博行けないわ 虫多すぎ気持ち悪い〉という声も。

画像を投稿したXユーザーに、詳しい現場の状況を聞いた。
写真を撮影したのは、5月17日の正午頃。万博会場の南側には、海水を引き入れた“ウォータープラザ”が位置しているが、この付近で虫が大量発生していたという。

専門家が指摘した「虫の正体」

「私は通期パスを持っているので、万博を訪れるのはこの日が4回目でしたが、これだけ虫が大量発生している光景は初めて見ました。
この日の午前中は大雨で、昼頃に雨がやんできました。すると、『ウォータープラザ』周辺に虫が大量に湧いてきて、あちこちの柱や壁にくっついたり、飛び回っているような状況になりました。

ちょっとベンチで休もうとした人も、柱に無数の虫がくっついているのに気づいて、『やっぱり移動しよう』となっていました。その日は虫が1日中、目について、特に若い女性はキャーキャー言っていました。『帰りたい!』と叫んでいる人もいました」

このXユーザーによると、ライトに引き寄せられたのか、虫はパビリオンの中にも入り込んでいたという。

害虫駆除の専門家である東洋産業の高橋宏英氏は、画像を見て、「これはユスリカですね」と指摘する。
「水中にいたユスリカのサナギたちが、ちょうど一斉に羽化したのでしょう。
飛ぶ力は弱いので、ユスリカたちは、万博の会場の中で繁殖、産卵、羽化を繰り返すと思われます。会期中にまた大量発生が起きる可能性はあります。

成虫寿命が数日ということもあり、一度羽化してしまったユスリカを早期に駆除することは現実的ではありません。 ユスリカの発生を防ぐために、発生源である水に対して“汚れを除去する”といった施策を取ることはできます」

X上では、〈展示物に虫がたかっていた〉との投稿もあり、展示物の汚損に繋がるのではないかとも危惧されている。しかし、高橋氏によると、その点については心配無用だという。

「繁殖のためだけに羽化するような虫なので、ユスリカの成虫はエサを食べず、口や消化器そのものが退化しています。なので、展示物をかじるといった点については心配しなくて大丈夫です。
また、血を吸ったりもしません。ただ、ユスリカを捕食しにクモがやってきた結果、クモの巣やフンが出てくるという二次的な汚損の可能性は考えられます」(前出・高橋氏)

展示物の汚損など今すぐ直接的な被害に繋がるではないというが、やはり気持ちいいものではない。これから気温がますます上昇していくなかで、虫問題は解決するのか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/eeb78a906e82efb8641bdc92599d47b2704c110b