ワシントン=坂本一之】高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発する中国の対日威圧を巡り、トランプ米大統領は公での発言を控え、日中対立に距離を置いている。来年4月に予定する訪中で外交成果を打ち出したいトランプ氏は習近平国家主席との「良好な関係」の維持に重きを置いているとみられ、24日の電話会談について説明したSNSへの投稿でも日中対立には言及しなかった。
「とても良い会談だった」。トランプ氏は24日、習氏との電話会談をSNSでこう振り返った。来年には両首脳が相互訪問することを強調し、習氏との対話を重ねていく意向も示した。
電話会談は10月末に韓国で行った対面の首脳会談の「フォローアップ」としているが、1カ月もたたないうちに再び対話を図ったのは、トランプ氏が習氏との関係を重視している表れだ。
トランプ氏は韓国での米中首脳会談の直前、SNSで米中を「G2」と表現し「G2(の会談)が間もなく開催される」と投稿。11月1日には「習氏とのG2会談は素晴らしいものだった」と振り返り、「平和と成功につながる」と強調した。「G2」には米中が世界を主導していくというニュアンスがあり、米大統領が米中関係を説明する中で使うのは異例だ。
トランプ氏は対中輸出の強化といった2国間問題に加え、米中露による核軍縮を何度も訴えている。来年4月に訪中を予定する中、こうした目標を達成するため、習氏を持ち上げて取り込む狙いがあるとみられる。
習政権の対日威圧を巡ってはグラス駐日米大使が「必要のない脅しは信頼を損ない、地域の安定を崩す」などと批判している。国務省のピゴット副報道官も20日に「日米同盟や日本の施政権下にある尖閣諸島を含む防衛へのわれわれの関与は揺るぎない」などと日米の結束を強調した。
ただ、ピゴット氏は中国批判を回避しており、24日に米中首脳電話会談の内容を記者団から問われたレビット大統領報道官も台湾問題や中国の対日威圧には触れなかった。日中対立に関与して米中関係の悪化を招きたくないという思惑が透けて見える。
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