昨年12月に白鷗大学教授で感染症専門家の岡田晴恵氏が、この2年間に渡るコロナ騒動の舞台裏を克明に描いた書籍『秘闘:私の「コロナ戦争」全記録』を上梓した。
「オミクロン株が大流行する前に、どうしても真実を若い世代に伝えたかった」と語る岡田さんに、これまで感染症とどう関わってきたのかを聞いた。
「私が国立感染症研究所に入所したのは、1990年代後半。当時は薬害エイズ事件が起こった頃で、免疫学を勉強している私のような大学院生からすると、非常に気になる話題でした。
それをわかりやすく解説し、舞台裏まで記したのが、漫画家・小林よしのりさんの『新ゴーマニズム宣言スペシャル 脱正義論』。
正義感と国民の健康を守るという熱意に感銘しました。それから『厚労(厚生)行政に、しっかりとした姿勢で臨める研究者が必要だ!』と思って、感染研の採用に応募したんです。小林さんの本は、今も書斎に大事にあります」
小林よしのり氏の著作から影響を受けたと明かす岡田さん。
感染研入所以来20年に渡って、来たるパンデミックに備え、国内外の感染症研究者、厚労省役員、政治家などとコンタクトを取ってきたが、今回のコロナ禍ではその知見が大いに活かされたと言っていいだろう。
実際、『秘闘』を読むと、コロナ禍において、岡田さんが舞台裏で田村憲久前厚労相や新型コロナ対策分科会の尾身茂会長など政府のキーパーソンに詰め寄り、スピーディーな政策決定を迫るシーンがつまびらかに書かれているからだ。
「これまで、国の専門家の先生はとにかく楽観的に方針を決めてきたように感じます。
パンデミックにおいては、最悪の事態を想定し、初めに強く、早く、厳しい対策を打ち、感染拡大を抑えて短く切り上げることが鉄則です。
でも、何も起こらないうちに先手の対策を打つと、「やり過ぎ」といった批判を浴びかねない。だから、事が起こってからの後手後手の対応になった。
専門家が政治家にどこまでちゃんとパンデミック対策の説明をしていたのか? そもそも、新型ウイルスが蔓延することの危険性を専門家が本当に理解し、想定していたのか?
政策に関わる専門家の先生方の、新型コロナ発生から1年間のリスク評価に問題があったのでは?」
岡田さんがメディアに登場し、積極的に発信することで、多くの人たちが感染予防に務め、その結果、海外に比べて格段に死者重症者の数を抑えたのは紛れもない事実だ。
だが、コロナ禍にあっては批判の声も上がった。時に剥き出しの言葉で不満の声をぶつけてくる姿なき声もあった。
以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae7d9f7ae579a7309e822551552d4dd975941f6b