実効再生産数は当初の想定よりも低く 流行規模も小さくなる可能性
??もう一つ、世代時間が短くなることで明るい要素も出てきているようですね。

昨年12月のインタビューでは
「オミクロンの実効再生産数はデルタ株の3?4倍」とお話していました。
その時の推定値は世代時間がデルタとオミクロンで変わらないという想定のもとで、
平均5日間として計算していました。

オミクロンの増殖が早いのは揺るぎのない事実ですが、
その中で世代交代が早いことを加味すると、
実効再生産数はこれまで想定していたよりも小さいことがわかりました。

先ほど登場したアレックス・セルビー氏は2.2倍程度としています。
僕らの推定もデルタの1.5倍から2.5倍の間くらいであろうとデータを更新しています。
当初考えていたよりは低そうだとわかったのです。

オミクロンの基本再生産数もデルタ株より低そうであることがわかってきています。だいたい2台ではないかと考えられます。

これまでの間、北半球の冬でデルタ株の基本再生産数は5ぐらいで考えられてきました。
そのレベルの流行では、世代時間が2日間だとものすごい高いピークになってきます。
でもそのようにはならなそうだとわかってきた、ということですね。

既にピークアウトしたと思われる他の国々の流行を見ても、ピークはそこまで高くありませんでした。
仮に大規模な流行を許してしまったとしても、最悪の地獄絵図のようなことは起きないということです。

感染する人の割合も当初の想定よりは少なく済みそうです。
ただ日本の医療提供体制は他の国に比べると脆弱なので、大流行すれば医療逼迫は起きます。
でも医療提供体制に対する負荷は、当初の最悪想定よりもマシになりそうだとわかっています。

何よりここで認識しておきたい大事なことは、この流行は制御できるものだということです。
皆さんに勇気を持って立ち向かっていただきたい。
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