町山智浩 映画『万引き家族』を語る

(町山智浩)スーパーでほんの少し、家族全員が食べるご飯をとっているだけなんですよ。
それで「万引きなんかしやがって! 万引きなんか犯罪じゃないか!」って……ちょっと待て。
彼らは働いていてもご飯が食べられなくて、わずかな食べ物がほしくて万引きをしているんですよ。この映画の中でね。
それ、スーパーとかで年間、どれぐらいの食料が賞味期限切れということで捨てられていると思いますか?

(山里亮太)ものすごい量なんですよね。

(赤江珠緒)そうなんですよね。廃棄率がね。

(町山智浩)600万トン以上ですよ。600万トン以上の食料が廃棄されているんですよ。
それをたとえば食べれない人たち、ホームレスの人たちに行き渡ったら、それだけで相当救われるでしょう?
そういうことをしていないじゃないですか。

(山里亮太)アメリカはそういうこと、していますよね。たしか。

(町山智浩)アメリカやヨーロッパはしています。そういうのが無駄にならないように、全部タダで配っていますよ。
日本はまだ、始まったばっかりですよね?
だから「万引きが!」って言うよりも、まずはそれをやれよっていう話ですよね。
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