8500年前の建造物発見、UAEで最古 新石器時代の集落か
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(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)の考古学者らが、これまで知られている中では同国史上最古となる、少なくとも8500年前にさかのぼる建造物を発掘した。アブダビ文化観光局の報道発表によれば、同国における最も古い建造物の記録を500年あまり上回るという。
首都アブダビの西方沖に位置する島で発見されたこの建造物は、「シンプルな円形の部屋」からなる構造で、石造りの壁は最大でほぼ1メートルの高さを維持している。
発掘チームは声明で、構造物は「小さな集団の住居だった可能性が高い。集団は1年を通して島で暮らしたかもしれない」と説明する。
またこの発見は、長距離の海上交易ルートが発展する以前の新石器時代に集落があったことを示すものであり、考古学者の従来の考えとは異なり、海上交易ルートがこの地域への移住を誘発する要因ではなかったことを示唆しているとした。
さらに数百点もの人工物も発掘されており、その中には狩猟に使用されたとみられる、精巧に製作された石の矢じりもあったという。同チームは「この集団が海の豊かな資源を利用していた可能性が高い」と指摘している。
いつまでこの集落が続いたかは不明だが、構造物の下からは埋葬された5000年前の遺骨が見つかった。アブダビの島々からこの時代の埋葬が見つかる例は少ない。
同国でこれまで最古とされた建造物もアブダビ沖の別の島にあった。そこでは2017年に世界最古の真珠が見つかっている。
発掘チームは今回の発見から、アブダビの島々が「乾燥した住みにくい」場所ではなく、「肥沃(ひよく)な海岸」のような所だったことが示唆されると言及。
移り住んできた人々は「現地の経済や環境面での条件」に引き付けられたとの見方を示した。