"トラガール"にピンクのトラック…女性トラックドライバーが対峙するホワイトカラーたちのズレ

同年度の女性トラックドライバーの数は約3万人程度。男性ドライバーが82万人で、
女性の割合はわずか3.5%にすぎない。
同じく男性社会といわれている「自衛隊」の同割合ですら約7.4%であることからも、
日本の女性トラックドライバーの少なさがよく分かる。

こうした「超男性社会」であるブルーカラーの現場には、ある共通点がある。
「ジェンダーに対する意識の低さ」だ。

それは、現場の作業員に限ったことではない。
各企業や団体、さらにはその業界に関わるホワイトカラーたちからも、
「現場の女性観」に対する無理解を感じることがある。

時代に逆行する"トラガール"

運送業界における女性の活躍を促進するために始まった同プロジェクト。
男性社会の業界に女性参画を促すためには、こうした活動は不可欠ではあるのだが、元トラックドライバーの筆者は、これに賛同していない。

真っ先に挙げられる理由は、この"トラガール"という呼称である。
同プロジェクトが始まったあたりから、筆者自身もよく「元トラガールの橋本さん」と紹介されることが増えた。
しかし、筆者には自分が「トラガール」だったという認識も、「ガール」とされて喜ぶ感覚も全く持ち合わせていない。

同じく現役女性トラックドライバーからも、この呼称に対する違和感を耳にすることが少なくない。

「"ガール"と呼ばれるほど若くないし、仕事の現場にこの呼び方はふさわしくないと感じます」(30代女性中距離食品系)

「女だからといってなんでもガールを付けるのはやめてほしい。舐められた気分になるから」(20代女性長距離)

「わざわざそんな言葉をつくって男性と差別化されると、
ただでさえ力やスピードの差でバカにされることがあるのに余計仕事がしづらくなる」(50代女性元地場食品系)
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20220308-00282345