焦点:ロシア人地下ネットワーク、ウクライナ難民の脱出を支援
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-mariupol-russia-evacuees-idJPKCN2N10CC

ボグダン・ゴンチャロフさん(26)とその妻、7歳の娘は3月半ば、
それまで暮らしていたマリウポリに降りそそぐ砲弾から逃れ、結果としてウクライナ南東部のロシア軍支配地域に入った。
他のウクライナ難民がシベリアに送られた噂を耳にし、
何千キロも離れた土地に移送されることを恐れたゴンチャロフさんは、あるロシア人ボランティアに連絡を取った。
このボランティアが、ロシア国内を抜けて対エストニア国境に至る移動を手配してくれたという。

「脱出できたのは奇跡のようだ」とゴンチャロフさん。
開戦前は建設業界で働いており、現在はスウェーデンでの新たな生活を始めている。
「ボランティアの人たちのおかげだ」

ゴンチャロフさんのように故郷から引き離され、
ロシア国内やロシア支配下の地域に留まることを望まないウクライナ人に対して、
ボランティアたちは脱出経路についてのアドバイスだけでなく、当座の資金や移動手段、宿泊先を提供している。
こうした緩やかに繋がったネットワークへの参加者、実際に支援を受けた人々9人から話を聞いた。

支援ネットワークに参加している4人によれば、ネットワークの多くを運営しているのはロシア人やロシア出身者である。
3人の話によれば、ボランティアの大半は海外を拠点としているが、一部は母国に留まっているロシア国民だという。
その多くは、ロシア当局の注意を惹くのを避けるため、目立たないように行動している。