
実家の両親の「ネトウヨ化」「女性蔑視」。新しい価値観で説得すべき?
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae6a9ad2cfdd3c84ec33fe90a9768b0cc303c794
アツミ:この間も、有名人のこの手の発言に、友人がSNSで「その通り!」と賛同していたんです。
「それは違うんじゃないの?」と言ったら、相手がすごく感情的に絡んできて。
久しぶりに会った年老いた親が「ネトウヨ」になっていたっていう話も、最近よく聞くので。
浅田:肉親だと困りますよね、「間違ってる」と言っても聞いてくれないし……。相手の言い分を聞いた上で、
「こういう意見もあるよ」ときちんと反論することかなと思います。2017年にトランプ大統領が就任したアメリカで、
取材中にそういう場面に出くわしたことがあります。
私が取材していたのは女性に対して差別的な発言や施策を打ち出すトランプ氏に抗議する「ウイメンズ・マーチ」という
抗議デモに参加していた40代女性だったんですが、
彼女の母親がトランプ支持者で、意見が大きく食い違っていたんです。
彼女は「たとえ母と決裂しても私は言う。それが次世代への責任。放置すれば私の子供の未来がなくなる」と言っていました。
ただ論破しようというのではなく、母親の意見は意見として聞きながら、親子とはいえ一定の距離を取って付き合っていたようです。
バタ:「波風立てないように……」と思って口をつぐんだり、諦めて放置したりしちゃいけないんですね。
浅田:みんなが同じ意見にはならないから、「優生思想」に近い考えや差別的な考えの人もいなくなりはしません。
でも諦めないこと。空気読め、と煙たがられても。SNSでも同じで、
理不尽な言説には「それは違う」と表明する態度は必要かなと思います。
「自分と同じ思いの人もいる」とエンパワーメントされる人もいるはずだし。そして、自分と違う意見に必要以上に傷つかないこと。
バタ:ちなみに子供がそういう意見に染まってしまったら、どうしたらいいですか?
浅田:頭ごなしに言えば、子供は「だって**がそう言ってたし」となって終わってしまうと思います。
基本は親と同じで、まずは「なぜそう思うの?」と聞く。その上で「違う意見もあるよ、
その背景にはこういうことがあって……」と順序だてて話していったらどうでしょうか。
ちなみに昨年、九州(大分県)で10代の学生たちとジェンダー平等について話し合う番組を作ったんですが、
「男は仕事、女は家庭」などの性別役割分担意識がまだ根強く残っているなぁと感じました。
学生たちも、「自分の世代はそうじゃない」と考えつつも、親や周囲の状況として当たり前に受け入れている部分がありました。
でも番組を作るにあたって、県の男女共同参画の部署を訪ね、資料を読んで勉強し、
ジェンダー意識に関する取り組みを取材し……と順序だてて学んでいくと、学生たちって自然に偏った
「固定概念」に気づくんです。そして、自分の考えで素直に判断して、それぞれの意見で議論してくれました。
彼らの意見に私も多くの気づきをもらいまいた。
アツミ:親もキチンと勉強しなきゃいけないですね。この記事を読んでもらえたら「優生思想」周辺は、大丈夫(笑)。
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<優生思想に関する浅田さんオススメの本>
・優生思想・優生学に関して学術的に知ることができる
『優生学と人間社会』米本昌平
・障がい当事者によってわかりやすく書かれた本
『私で最後にして ナチスの障害者虐殺と優生思想』藤井克徳
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae6a9ad2cfdd3c84ec33fe90a9768b0cc303c794?page=3