https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210916_2.html

小径のフライパン・片手鍋の取扱いに注意−フライパン等の調理中の落下、取っ手の焼損、固定ねじの腐食が発生しています−

PIO-NET(注1)には、2016年度以降の約5年間に、フライパン・片手鍋の落下に関連する危害・危険事例が129件(注2)寄せられています。また、国民生活センターには消費生活センターから、「フライパンをガスこんろの五徳に載せたところ傾き落下した」、「フライパンの取っ手の樹脂部が焼損した」、「フライパンの取っ手内部のねじが破損した」等、調理の際に危険な状況になったとのことから、毎年数件、商品テストの依頼が寄せられており、これらの事例は比較的小径のフライパン・片手鍋で多く発生していました。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、外出を控えて家庭内で過ごす、「ステイホーム」が推奨され、少人数の世帯や、少量の調理には、比較的小径のフライパン・片手鍋を使用する機会が増えているものと考えられます。

 そこで、小径のフライパン・片手鍋の調理中の落下の危険等について、これまでに国民生活センターで実施したテスト事例を参考に検証し、小径のフライパン・片手鍋を用いて調理する際の安全な使用方法や注意点などをまとめ、消費者に情報提供することとしました。

(注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのことです。
(注2)2016年4月以降受付、2021年5月31日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。件数は本公表のために特別に精査したものです。
テスト結果
調理油過熱防止装置が鍋底を押し上げ、フライパンが傾いたり落下することがありました
ガスこんろが最強火の場合、樹脂部の表面が耐熱温度を超えました
水抜き穴から取っ手内部に浸入した水がねじを腐食する可能性がありました
今回テストした全銘柄の取扱説明書に、ガスこんろの上での安定性、取っ手の焼損、取っ手のねじ等の腐食に関する注意表示がありました
消費者へのアドバイス
小径のものをガスこんろで使用する際には、調理油過熱防止装置の影響で傾くことがありますので、取っ手を持ちながら注意して調理しましょう
ガスこんろの炎が大きいと、取っ手の樹脂部に炎の先端が当たり、焼損するおそれがあります。特に小径の場合は、取っ手の根元部分が炎に近く、鍋底からはみ出した炎の先端が取っ手に直接当たりやすいため、火力に注意しましょう
取っ手の先端部から根元部分まで貫通する長いねじで留められているものは、取っ手内部に水が残ると、ねじが腐食して破損するおそれがあります。洗った後は十分に水を切りましょう。また、取っ手を留めているねじが緩んでいたら締め直しましょう