もし、富士山が噴火したら?車で避難をしてはいけない理由

考えたくない話ですが、もし、富士山が噴火したらどう避難したらいいのか?

富士山火山防災対策協議会が、富士山噴火直後の周辺住民の避難について「車を使わずに原則歩きで避難する」という方針を明らかにしました。

なぜ、徒歩への避難に変更されたのか。静岡大学防災総合センター特任教授の岩田孝仁さんに、SBSラジオ『IPPO』パーソナリティの牧野克彦アナウンサーが聞きました。

牧野:なぜ徒歩の避難に方針が変更されたのでしょうか。

岩田:2021年3月、富士山のハザードマップが改定されたんですが、そのときに溶岩流が3時間以内と比較的早い段階で到達するエリアが御殿場市や富士宮市の市街地近くにまで拡大され、避難の対象人口が増えてしまったんです。
人口の多いところで一斉に避難が必要になるとどうなるのかシミュレーションをしてみたら、車の渋滞が起きてしまい、徒歩の方が時間がかからずに避難できることがわかりました。
ただ、障がいのある方や高齢者の場合は、車で避難する必要がありますし、人口が多くない場所の場合もその限りではないので、実際に訓練をしながら丁寧に検討していく必要があると思います。

牧野:溶岩がどんどん迫ってくる中で、歩いての避難で逃げ切れるのかという不安もありそうですが。

岩田:それもわかりますが、実際に渋滞が発生してしまうと、車では全く動けなくなってしまうんです。
そうなると、かえって歩いた方が早くなります。これは火山に限った話ではなく、津波でも同じことが言えます。東日本大震災のときも、車に乗ってしまい、車ごと流されてしまうケースがたくさんありました。

牧野:なるほど。冷静な判断が必要になるわけですね。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/110117?display=1
https://newsdig.tbs.co.jp/mwimgs/b/7/-/img_b714e9f1d8d5dd57fd23b35f71ec57cc373370.jpg