実際にひっかかってしまうのは「俺はもっと稼げる」「もっと上に行きたい」「人よりいいものを持ちたい」などと、意識が高かったり、根拠のない自信やプライドがある若い人が多く、特に男性が目立つという。

 その理由を西田教授はこう分析する。

「男性には、人より多く稼いだ方が自分はえらいという優越感を得られる。お金がたくさんあった方が幸せだという価値観が根付いてしまっている人が一定数います。それゆえ、自分や誰かの給料がいくら、という話をしたがる男性がいますよね。また、 心理学では 『刺激欲求』といいますが、ギャンブル的なことやハイリスクを求めたがる傾向が若い男性に目立ちます。この欲求により起業などで成功する人もいますが、マイナスに働いてしまう人も多くいるのが現実です」

 さらに、背景には日本社会が抱えている問題があると指摘する。

「バブル期以降に社会に出た世代、特に『Z世代』と呼ばれる若者たちは、優秀でがんばっていても昔のように給料は上がりません。『稼ぎたい』『上に立ちたい』という意識の高さやプライドがある一方で、目の前には厳しい現実があります。このままでは……と無力感、切迫感を抱いて焦っている若者は、突然のもうけ話が来ると『来たー!』と、絶好のチャンスが訪れたように思い込みがちになります。ただ、期待に踊っているのは当人だけで、この時点でマインドコントロールが始まっているのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d45b7e2c351117dc7168dec153fa8d92abb1733?page=2