しかしエリザベス1世の時代(シェークスピアが活躍した時代だ)、イングランドの威光が及ぶのはせいぜい隣国アイルランドまでだった。これに不満な女王は、貴族やジョン・ホーキンスのような海賊をけしかけ、大西洋上でポルトガルやスペインの商船を襲わせ、積み荷の金やアフリカ人奴隷を強奪させた。
こうしてエリザベス1世は、後の大英帝国の土台を築いた。それに続いた諸王は彼女の路線を引き継ぎ、1631年にはその名も「ロンドン冒険商人会社」を設立した。言うまでもないが、この「冒険」はアフリカの金と奴隷の暴力的な搾取を意味していた。後にこの会社は「王立アフリカ冒険商人会社」と名前を変え、なんと1000年に及ぶアフリカ貿易の独占権を付与されることになった。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/09/post-99654.php