積み立てNISA、非課税を無期限化へ…政府・与党が検討
11/17(木) 15:00

 政府・与党は2023年度税制改正で、株式や投資信託の運用益を非課税にする「NISA」(少額投資非課税制度)について、積み立て型の場合の非課税期間(20年)を無期限とする検討に入った。年40万円の投資上限額を引き上げる案もある。個人の「貯蓄から投資へ」の流れを促し、資産運用の拡大を後押しする。

 年末の税制改正作業で内容を固める。

 見直すのは、20歳以上を対象とする「つみたてNISA」。対象の投資信託から得られる運用益や分配金について、現在は非課税期間を20年間として21年目以降は通常取引と同様に約20%の税金を課しているが、無期限に非課税とする。
 また、現在の年間投資上限額(40万円)についても拡大する方向だ。毎年40万円の投資信託を20年間にわたって購入し続けても、退職後の老後の生活資金を賄うには不十分との指摘があるからだ。
 岸田首相がすでにNISAの恒久化を表明している。政府・与党は合わせて積み立て型NISAを拡充することで、幅広い世代が自ら老後も含めた将来の経済的な蓄えを形成できるようにしたい考えだ。
 ただ、年間投資上限の引き上げは、資金に余裕のある人ほど資産を増やしやすくなるため、「富裕層優遇」との批判も出かねない。政府・与党は、生涯で投資できる総額(累積限度額)を設定するなど、格差を助長しない仕組みを検討する。
 NISAは、株式も対象に含む「一般NISA」や、20歳未満向けの「ジュニアNISA」もあるが、いずれも23~42年に終わる時限措置となっている。NISAは口座数こそ増えているが、対象の株式や投資信託の買い付け総額は28兆6540億円と、個人の金融資産の約1%にとどまる。
 岸田首相は「資産所得倍増プラン」の柱として、家計における投資の促進を掲げている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf12ea48e061e1e99e23cda988075eddf5ec73a5