法務省の法制審議会は「個性的すぎる名前」にNOだが…お相撲さんは“キラキラネーム”だらけ(日刊ゲンダイDIGITAL)
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個性的すぎる名前はアウト──。法務省の法制審議会の戸籍法部会が「氏名として用いられる文字は一般に認められているもの」と、いわゆるキラキラネームに制限を設ける提言を行った。

「天空海」は何と読む? 角界に“キラキラネーム”急増中

昨年の会議では、受理されない例として4点が挙げられている。

①「漢字の持つ意味とは反対の意味になる」(高いをひくしと読む)

②「読み書き、聞き違いか判然としない」(太郎をじろうと読む)

③「漢字の意味や読み方から連想できない」(太郎をじょーじと読む)

④「別人と誤解されるおそれがある」(鈴木をさとうと読む)

太郎と書いて「マイケル」と読ませるのもダメだし、逆に「マイケル」と書いて「ダンス」と読ませるのもペケだ。

ただし、すでに想像よりキラキラが浸透している業界もある。お相撲さんたちの「しこ名」だ。

もちろん、本名ではないので何を付けようと、どう読ませようと自由なのだが、これが読むにはなかなか難しい。初場所の番付で前頭筆頭の「翔猿」(とびざる)はギリギリの許容範囲。「翔」の読み方は、音読みが「ショウ」で、訓読みは「かけ(る)」が一般的だが、1975年に司馬遼太郎が「翔ぶが如く」という小説を出してから「と(ぶ)」も定着している。今では「とぶ」でも間違いではないが、辞典にはあまり出てこないのも事実だ。

十両筆頭の「天空海」(あくあ)は完全に当て字。元は所属部屋の立浪から取った「豊乃浪」というしこ名だったが、出身地の茨城県大洗町にある「アクアワールド」からアクアに改名した。同6枚目の「美ノ海」(ちゅらのうみ)は、沖縄の「美ら海水族館」が有名なので何となく読めるが、もちろん「美」の本来の読みではない。

一方、幕下の「舞蹴」(まいける)は一瞬ギョッとしてしまうが、本名が舞蹴(母親がフィリピン人)なのでキラキラではない。

三段目以下になるとキラキラ率はさらに高い。「天」(あまね)、「碧天」(あおぞら)、「漣」(さざなみ)、「優力勝」(ゆりきしょう)、「冨蘭志壽」(ふらんしす)、「爽」(さわやか)、「大当利」(おおあたり)、「黒熊」(くろかげ)、「森麗」(もりうらら)など、なかなかの難読名だ。

法制審議会の委員は眉をひそめるかもしれないが、相撲界はすでにキラキラネームだらけだ。