「津波と付き合う」 浜に建ち始めた新築住宅、海とともに生きる風景

宮城県石巻市の震災遺構門脇小には、東日本大震災の津波と火災の痕跡が残る。そこから100メートルほど海側へ向かった先。「ママチャリ修理 大歓迎」と赤や緑で書いた看板が立つ。

2021年5月に市の内陸側から移転してきた自転車店「クマガイサイクル」だ。1台50万円以上の高級品も扱う。

周囲は、県が昨年5月に発表した最大級の津波だと「5メートル以上10メートル未満」の浸水が想定されるエリアだ。最近、真新しい家がぽつぽつと建ち始めている。代表の熊谷義弘さん(50)は「地元出身ではない人や若い夫婦も建てている」と言う。

目の前の道路は約3・5メートルの高さに盛り土され、防潮堤を越えた津波に備える。その向こうは災害危険区域だ。このあたりの門脇・南浜地区では500人近くの犠牲者が出て、住宅地は「石巻南浜津波復興祈念公園」になった。

多重防御の対策があるものの、不安はないのか。

https://digital.asahi.com/pr/cp/2023/u30/