G7広島サミット 韓国、豪州、インドなど8カ国、国際7機関招待へ

 岸田文雄首相は20日、5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に韓国やオーストラリアなど8カ国の首脳と、7の国際機関の長を招待すると発表した。G7首脳と招待国・機関で「アウトリーチ会合」を開催する。首相は「国際社会が直面する様々な課題への対応を中心に議論する」と述べた。訪問先のニューデリーで記者団に明らかにした。

 招待国は、G20(主要20カ国・地域)議長国のインドのほか、インドネシア、オーストラリア、韓国、クック諸島、コモロ、ブラジル、ベトナムの各国。

 韓国は、両国の最大の懸案だった徴用工問題をめぐり、韓国側が「解決策」を発表。日本側もこれを評価して16日に首脳会談が開かれた。関係改善が急速に進み、両国の首脳が互いに相手国を訪問する「シャトル外交」の再開でも合意した。

 オーストラリアについては外務省幹部は「準同盟国とも言える存在」と言う。首相は昨年10月にオーストラリアを訪問し、アルバニージー首相と2007年以来となる新たな「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名。クアッド(日米豪印)メンバーの各国が広島にそろうことになる。

 日本政府は、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現には、「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の協力が重要だと考えており、各地域の代表を招待することにした。

 インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)、クック諸島は太平洋諸島フォーラム(PIF)、コモロはアフリカ連合(AU)のそれぞれの議長国を務めている。ベトナムはASEANの主要国で高い経済成長を記録している。日本は途上国援助(ODA)などを通じて支援に力を入れている。

 中南米からはブラジルを招く。林芳正外相は1月に中南米を訪問した際、ブラジルで講演した。「法の支配でつながる連帯の輪」を広げたいと訴え、中南米諸国を「重要なパートナー」と位置づけて、連携を呼びかけた。ブラジルは中ロを含む新興5カ国(BRICS)のメンバーでもあり、日米欧側に引き寄せたい狙いもある。

 国際機関は、国連、国際エネルギー機関(IEA)、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)。

 首相はインドのモディ首相に20日の会談で直接招待し、モディ氏はその場で出席を表明した。

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