シェアオフィスにサウナ、柔軟な発想・新たな出会い求め…心身・仕事「ととのう」
サウナを併設するシェアオフィスが増えている。働き盛りの３０～４０歳代で気分転換としてサウナの人気が高まっているからだ。心身が和らぐ「ととのう」感覚を得つつ、仕事も整えてもらおうという狙いだ。
東京の地下鉄、三越前駅と人形町駅の中間あたりに、昨年末に開業したシェアオフィス「グッドオフィス日本橋」（東京）は、ラウンジにサウナを併設する。シェアオフィスは２４時間利用可能で午前８時から午後１１時までサウナ利用できる。サウナは１０人ほど収容でき、サウナ後に入る浴槽や、心身を整えるソファも備える。
「サウナに移って、少し頭を整理しましょう」。今年２月下旬の夜、シェアオフィスで仕事していた日本航空とコクヨの社員計８人が、サウナに移動して汗を流した。８人は、日航やコクヨのほかリコーやＩＢＭなど約１６０社が参加する「ジャパンサウナ部アライアンス」のメンバー。サウナを使った柔軟な発想や新たな出会いを狙った会だ。
同会のメンバーは、オンライン会議も使いながら２か月に１度、顔を合わせて話し合った後、有志でサウナに向かう。コクヨサウナ部部長の川田直樹さん（３８）は「サウナ好きの共通点をいかし、組織が活気づいたり、他社とのつながりができたりする」と話す。
コロナ禍の逆風
日本サウナ総研によると、２０１９年に人気ドラマがきっかけで、サウナ利用者が増え、「サウナの愛好家人口」は２８００万人を超え、２１年にはサウナで気分を一新する「ととのう」が流行語になった。コロナ禍の感染対策に伴う利用制限で２２年は４割以上少ない約１７００万人まで減少したが、最近は、働き方改革の広がりを背景としたリモートワークの定着が追い風になっている。
シェアオフィスとサウナを組み合わせることで、在宅勤務ではできないサウナ利用という新たなサービスが誕生した。
独自導入企業も
東京都杉並区のＪＲ西荻窪駅近くに２１年１２月にオープンした「ルーフトップサウナ」は、２００席分の会議室や個室を備えた大型シェアオフィス。男女別で本格的フィンランド式のサウナを備え、屋上で、外気浴もできる。サウナは男性用は最大３０人が収容できる「都内最大級」が売りだ。
横浜のスカイスパＹＯＫＯＨＡＭＡは、サウナと宿泊施設だったが、リモートワークの時代を見据えてシェアオフィスを併設した。併設前に比べて、３０～４０歳代の利用者が増え、滞在時間も延びているという。
独自にサウナを取り入れる企業もある。眼鏡大手チェーン「ＪＩＮＳ」を運営するジンズホールディングスは、今年春に移転する千代田区の新オフィスにサウナを導入する。広報担当者は「心身への効果とともに、社内議論の活性化に期待している」と話す。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2336ee6dbf4cc389de39f705c4a5cca5b8ab6ea4
