ジャーナリストの男性が拡散
この事件をめぐり、ジャーナリストの男性が4月15日午後9時12分、「犯人、予告ツィートしてたのか…」と、3枚の画像を添付してツイートした。

画像の一つは、「Dies irae」というアカウントが事件前日の夜にツイートしたとされるもので、「明日は待ちに待った日だ」という文章とともに、爆発物のような筒状の物体の画像が貼り付けられていた。

残りの二つは、「Dies irae」が「お前ら、俺が本気じゃないと思っているのかな」とツイートしたとされる画像と、事件直後を撮影したテレビ映像を切り取ったものだった。

ジャーナリストのツイートは、4月16日午後2時現在で50万件表示され、1130リツイート、3000いいねと拡散している。

ジャーナリストのツイートには、「予告もあったのか」や「まじか」といった引用リツイートも確認された。

画像はアニメの“武器”
しかし、「Dies irae」がツイートしたとする物体の画像をGoogleの画像検索にかけると、10年前の2013年4月に個人のブログでアップされたものと、全く同一の画像だということが分かる。

ブログの内容は、トイレットペーパーの芯に色を塗ったりして、アニメに登場する武器を作ってみた、というもの。和歌山の事件とは無関係だ。

つまり、拡散された画像のうち、和歌山で使われた爆発物を示唆したものは、10年前にブログでアップされた画像を盗用したものであり、今回の事件で使用された凶器ではない。

なお、「Dies irae」のユーザーIDをTwitterで検索すると、ユーザー名やアイコンが違うアカウントが表示される。

コロナワクチンに批判的なアカウントがツイート
では、「Dies irae」というアカウントの一連のツイート画像の出所はどこだろうか。

BuzzFeed Newsが調べたところ、ジャーナリストがツイートする約9時間前に同様のツイートをしていたアカウントが出したものが、最古だった。

このアカウントは「Dies irae」の画像を添付し、次のようなツイートを15日午後0時49と同55分にしている。

「従兄から『首相襲撃犯のアカウントに心当たりがある』 とスクショが送られてきました。 今はもうアカ消しされているようです。 これって……」

「すみません、従兄から『襲撃犯のアカウントに心当たりがある』とこのスクショが送られてきたのですが、どう思われますか? 既にアカウント削除されているようですが。 何かと繋がるような気がします」

このアカウントは匿名で、プロフィール欄には、「コロナ脳の夫とは別居中。マスクもワクチンも要らない」と記載されている。

これまでの報道を見ても、木村隆二容疑者が犯行予告をツイートしていた、という情報は確認できない。

そして前述の通り、「爆発物のような筒状の物体」は、10年前に個人のブログでアップされた自作の「アニメの武器」だ。

情報の拡散には十分注意が必要だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ac60f2b9063841b72e8d55fe01ff9263a89bdec