病と貧困に対する「自己責任論」の怖さ 『妻はサバイバー』著者と精神科医・松本俊彦氏が語る、偏見と差別の内面化がもたらす負の連鎖〈dot.〉
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7082bdd36417ee48bbba61cae9de96a6acc9c25
精神疾患による苦しみは症状だけにとどまりません。偏見がつきまとい、当事者も家族も差別にさらされます。私も妻の救命治療を拒否されたり、人混みの中で嫌悪感に満ちた視線を浴びたり、「甘やかすからだ」と見当違いの説教をされたりしてきました。
人種やジェンダーをめぐってよく指摘されるように、現実からかけ離れたステレオタイプは偏見や差別を強化します。依存症患者に対する「意志が弱い」「人格破綻者」「快楽におぼれている」といったイメージはその類いです。違法性の問題もある薬物依存症はとりわけ強い偏見の目で見られがちです。
誰もが「助けて」と言える社会にするには、社会にある偏見を地道になくしていくしかありません。それはジャーナリズムの重要な役割の一つです。私は宿題をもらった思いで収録のスタジオを後にしました。