世界の文学作品をみわたしても、『源氏物語』の完成度の高さと面白さは文学史上の最高峰にあることは疑いもない。ところが、日本の学校教育を受けた多くの人たちにとって『源氏物語』は国語の時間に習うものであり、古典文学というのは受験のために勉強するものであってぜひとも読みたいものではない。一念発起して、いざ読んでみても、なんだか光源氏にはムカムカしてくるし、とうてい楽しめないということがある。

 日本文学を専門としていない大学で若い学生たちと『源氏物語』を読むと、光源氏が紫の上に恋するのは「ロリコン」趣味だ、末摘花が不美人であるという設定は「ルッキズム」ではないか、「不倫」する男は許せないといった感想が必ずと言っていいほどでてくる。

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