練炭をたいて女性を殺害しようとした疑いで、64歳の男が逮捕されました。男は親族に対し、認知症の母親の介護について悩みを伝えていたということです。

殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、鹿児島県日置市吹上町与倉の無職・川原明広容疑者(64)です。

日置警察署によりますと、川原容疑者は今月6日午後3時ごろ、県内に住む無職の女性の自宅で練炭をたき、女性を殺害しようとした疑いが持たれています。

被害者の関係者から「女性と連絡がとれない」と警察に安否確認の相談があり、警官が駆け付けたところ、火のついた練炭が置かれた室内で、女性と川原容疑者が意識がもうろうとした状態で横になっていたということです。

2人は病院に運ばれましたが、女性はすでに退院し、けがはありませんでした。

警察は現場の状況などから「殺意があった」と判断し、16日、川原容疑者の退院を待って殺人未遂の疑いで逮捕しました。川原容疑者と女性の関係について、警察は「明らかにできない」としています。

一方、親族によりますと、川原容疑者は90代の母親と2人暮らしでした。母親は認知症を患い、川原容疑者が自宅で介護をしていましたが、今年に入って母親の認知症が進み、食事やトイレなどの世話で悩んでいたということです。

事件が発覚する数時間前、川原容疑者から親族の留守番電話に「母の認知症が進みどうしようもない。これから練炭自殺する」と伝言があったといいます。

(川原容疑者の親族)「今までずっと母の介護を一人でやっていたが…発作的に事件を起こしたのかもしれない。母もかわいそうだが川原容疑者もかわいそう」

取り調べに対し川原容疑者は「練炭は自分がたいた」という趣旨の供述をし、容疑をおおむね認めているということです。

https://www.mbc.co.jp/news/article/2023051600064637.html