飯炊き3年握り8年→技術特化2カ月、すし職人養成講座が話題 受講者「長い修業、もったいない」

「飯炊き3年、握り8年」ともいわれるすし職人の世界。長年の修業が必要とされるが、岐阜市弥八町の会員制すし店「すし卓」がわずか2カ月間で職人を養成する「スシ ラボ カレッジ」を4月から始め、話題となっている。開講した同店経営の大澤卓也さん(42)は「技術に特化して学ぶことで、まずは2カ月で自分の適性を見極めてほしい」と狙いを話す。

カレッジには現在、海外での就業や転職を希望する20~50代の第1期生5人が通う。道具の手入れから魚のさばき方まで、実践的なカリキュラムに取り組んでいる。魚の仕立て方を学ぶのは、講座が始まって25日目という早さ。講師が仕立てた魚を食べるなどして技術の違いを確かめる。

愛知県幸田町から通う男性(28)は、インテリア系の商社を辞めて講座に参加。「修業に長い年月をかけるのはもったいない気がする」ときっぱりと語り、「毎日魚をさばいて記録を付けており、自分の成長が目に見えて分かる。いずれ海外の店で働きたい」と目を輝かせる。

受講生は集中的なカリキュラムを経てめきめきと腕前を上げていく。大澤さんは「身に付けた技術に自分の個性を乗せて、その人にしか作れないすしを提供できるようになってほしい」と願いを込める。

https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/232539