ニホニウム1グラムの価格は地球より高額=ロシアの化学者

研究者らは世界で最も高価な化学元素であるニホニウム(Nh)の合成方法を習得したものの、ニホニウムはたった1グラムでもその価格は地球よりも高くつく。
そのため、買い手を見つけるのが難しい。ロシアの化学者マクシム・ビロヴィツキー氏が、ロシアの医療メディア「シュライビクス」でこのように述べている。

■ニホニウムの作り方

ニホニウムを得るには、安価なカルシウムを自然界にはほとんど存在しない「カルシウム48」に変換する必要がある。
この同位体を得るには、磁気分離器を使えば、カルシウムの異なる同位体を原子ごとに分離できる。
この合成方法では、同位体カルシウム48を含んだ炭酸カルシウム1グラムは25万ユーロ(約3730万円)にもなってしまう。
次にこの炭酸カルシウムをカルシウム48に変換する必要がある。この同位体は1グラムあたり32万ユーロ(約4780万円)にもなる。
カルシウム48を粒子加速器で光速の10分の1まで加速させた後に、アメリシウム箔と反応させる。
この反応の結果、元素記号115番目の「モスコビウム」が生成される。
その後、モスコビウムのアルファ崩壊が始まり、ニホニウムが生成されますが、これは非常に幸運な場合に限る。ニホニウムができる確率は、10の28乗の1。
そのため、ニホニウム1グラムを作るには、少なくとも157澗ドル(21澗7000溝円。澗は10の36乗)の費用がかかるという。

https://sputniknews.jp/20230526/1-16094942.html