女性自転車レースでトランスジェンダーの選手が優勝 2位の女性選手「カテゴリーを分けるべき」と言及、議論巻き起こる


アメリカ・ノースカロライナ州で6月10日に開かれた女性カテゴリーの自転車レースで、トランスジェンダーの選手が優勝した。この選手の生物学的な性別は男性で、大差をつけて敗れた2位の女子選手が大会後に「カテゴリーを分けるべき」と言及するなど、競技の公平性に関する議論がSNSなどで巻き起こっている。


圧倒的な差をつけて優勝

大会は「Belgian Waffle Ride(BWR)」。公式サイトなどによると、起伏が激しい約210キロのコースで実施する大会で、女子プロ部門の優勝賞金は5000ドル。オースティン・キリップス選手が序盤からレースの主導権を握り、2位と5分という大差をつけて優勝した。キリップス選手は国際自転車競技連合(UCI)の公式イベントでトランス女性であることを公表。2022年から女性部門でレースに出場している。

この日のレース後、キリップス選手は「結果を出せたことが本当に誇らしい。レース序盤から前に出て差をつけることができた」と笑顔でインタビューに応じた。


2位の選手「全員に活躍の場があるのは重要だが…」

一方、2位のペイジ・オンウェラー選手は複雑な表情でインタビューに応じ「オースティンにはかなわなかった。パワーが比べものにならない」と語った。

さらに大会後、この結果が物議を醸したことを受け、オンウェラー選手が自身のブログを更新。「(性別の)自認に関係なく、すべてのアスリートに競争の場が与えられるべきだと認識することが最も重要」と前置きした上で、「将来的には、カテゴリーを分けることが適切かもしれないと感じている」「これらの問題を解決するには時間も配慮も必要。BWRイベントが今後もすべてのライダーに敬意を持って対処してくれると信じているので、私は今後もBWRイベントをサポートし、参加し続けるつもりです」とつづった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/35ba1c46992cc14f3ba50067cf43639ecd675124