【6月15日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡の驚くべき研究成果が発表された。四川省文物考古研究院は10日、発掘スタッフと文物保護スタッフらの共同研究により、大型青銅器2点を比較的完全な形に復元したと明らかにした。ハイテク技術により複数の出土遺物を接合し、3千年の時を超え、新たな遺物としてよみがえらせた。

 同研究院の唐飛(Tang Fei)院長によると、復元された青銅器は「銅獣馱跪座人頂尊銅像(どうじゅうたきざじんちょうそんどうぞう)」と「銅罍座倒立鳥足頂尊神像(どうらいざとうりつちょうそくちょうそんしんぞう)」。いずれも異なる祭祀坑(さいしこう)で出土した部位を組み合わせて作り上げた。安全性の問題で原物を組み立てることはできないため、3Dスキャンや3Dモデリングなどの技術を用いてモニター上で復元した。

 銅獣馱跪座人頂尊銅像は高さ158・9センチで、神獣が頭に尊(酒器)を乗せた人を背中に載せている。2号祭祀坑出土の「銅尊口沿」、3号祭祀坑の「銅頂尊跪座人像」、8号祭祀坑の「銅神獣」を組み合わせた。

 上中下の3段で構成されており、下段の神獣の頭には豪華な衣装を着た銅人像が乗っている。中段は神獣の背中にひざまずく銅人像。上段は銅人像が頭に載せる三段式の折肩尊(せつけんそん)で、竜や獣などの立体装飾が施されている。

 銅罍座倒立鳥足頂尊神像は高さ253センチで、主に銅罍(どうらい、罍は酒壺)と神像、人像からなる。2号祭祀坑出土の「銅鳥足人像」、3号祭祀坑の「爬竜銅器蓋」、8号祭祀坑の「銅頂尊撑罍曲身人像」「銅持竜立人像」「銅杖形器」の五つのパーツを組み合わせた。主体部分は倒立した神像で、目は飛び出し、牙をむき、手を罍の上に置き、頭に尊を載せ、足先は鳥の爪の形をしている。

 唐氏は「二つの器物とも幾つかの独立した部品を鋳造で接合している。サイズは巨大で、造形も複雑かつ独特であり、3千年前の古蜀の祭祀を芸術的に表現したものと考えられる。三星堆の先住民の卓越したデザインと鋳造技術が見て取れる」と述べた。

 複数の祭祀坑から出土したパーツによる遺物の復元は、幾つかの祭祀坑の年代が近いことを示しており、三星堆祭祀エリアの考古学的年代や配置、性質、祭祀形式などを理解する上で重要な意義を持つ。(c)Xinhua News/AFPBB News

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