「初対面でセクシーキャバクラに連行…」人手不足の地方消防団で起きている、「想像を超えた事態」

地元消防団は消防組織法に基づいて活動する自治組織で、地域の非常時に頼りとなる存在。
ただし、薄給に見合わぬハードな活動内容が指摘されたり、過去には違法な金銭のやりとりや使い込みが囁かれたりと、何かと話題に上る団体といえる。
総務省消防庁は消防団について、「権限と責任を有する非常勤特別職の地方公務員」であるとしながらも、
「自らの意思に基づく(中略)ボランティアとしての性格も併せ持つ」という、いかにも”都合良く使い分けている感”が否めない定義づけをしている。
今回、ある地方在住の主婦、小野口芽衣さん(仮名)が、夫が地域の消防団入団を依頼され、それを断ったことで不当な扱いを受けた実態について語ってくれた。
この話題は、単なる地域の人間関係トラブルを超え、消防団に潜む課題が垣間見られるお話となった。

「消防団が悩みの種になるなんて、想像もしていませんでした。社会の中で暮らすのって、本当に色んなことを考えなくちゃいけないんだなって、結婚してから痛感しています」
全国津々浦々消防団は存在するが、芽衣さん一家がマイホームを立てた地域は過疎化が進み、消防団員を集めるのにも苦労しているのだそう。
「昔から消防団の存在は知っていましたが、父親が何かやっている、という程度のイメージしかなくて。
だから、夫が消防団員になることを求められるなんて考えもせずに、私の実家の空き土地に新居を建ててしまったんです。
家が完成し、長らく離れていた地元に戻った後、すぐに消防団から私の夫に入団の勧誘があり、そこで初めて”えっ?”となりました」
芽衣さんの夫は会社員で、引っ越しを機に通勤時間が3倍に増えた。毎朝バスと電車を乗り継いで会社に通っている。
勧誘話を聞いた時は、とてもじゃないが消防団の活動などできないと、夫婦で思わず呟いたという。
「うちの地元が御多分に漏れず高齢化しているせいで、消防団も人集めに必死です。
若い奴が来たぞということですぐにお呼びがかかったんですが、うちの夫は大人しい性格のインドア人間。最初から全身で拒んでいました」
消防団員は2人でやってきた。そのうち1人は芽衣さんの小中学校の同級生だったという。
「”芽衣、いい人材を連れて帰ってきてくれてサンキューな”と言われました。夫の方を見ると苦虫を噛み潰したような顔をしていて、バツが悪かったですね。
消防団は月に2回の練習と、月に2回の親睦会があるから、それだけ出てくれたら十分だ、だから入ってほしいと懇願されてしまって」
消防団の2人が帰ったあと、夫は不機嫌になった。一度練習だけでも見学に来てほしいと言われて断りきれず、
次の土曜日にポンプの操法練習に参加することを約束してしまったからだ。
「でも、その見学の流れで飲み会に誘われて、エラい目に遭い、夫は明け方へべれけになって帰ってきました」
芽衣さんの夫は、最初に会った2人以外は全て初対面の男たちにセクシーキャバクラに連れて行かれたことを告白した。
お酒が弱い夫はビール一杯で酔っ払い、ぼんやりしていると女の子が膝に乗ってきて驚いたという。
「セクキャバと聞いた私は、夫と連絡がつかずに一睡もできなかったこととか心配したことも忘れて、頭に血が上ってしまいました。
そして、半分寝ている夫に”ねえ、女を膝に乗せたの?どっか触ったの? ”とにじり寄ったんです。最終的に怒りの矛先は消防団に向きましたけど」
実は、夫はこの不本意な飲み会の参加費を受け取ってもらえなかったのだそう。
後日、入団するかどうかを改めて聞かれたときに、芽衣さんは初めて夫が食事代とセクキャバ代を奢ってもらったことを知った。
「そんなお店に連れていくなんて、ちょっと困ると同級生の消防団員に言うと、
お前のダンナ、正直に言うなんて変わってんな、普通居酒屋とか言ってごまかさない? と笑われました。
ああ、この人たちは日頃からそういう所へ遊びに行っているんだと思いましたね」
消防団に対してすっかり印象が悪くなった芽衣さんは入団しないでほしいと考えたが、夫本人はもっと強固に入団を嫌がったという。
「みんなが理性をなくすほど飲んで女の子を触りまくってて、マジできしょかった、とダンナは言っていました。
うちのダンナは私と2人でゲームするのが一番好きな草食なので、豪快な飲み会とか苦手なんです」
結局夫は消防団入団を断ったが、これがさらなる地獄を招くことになるとは露とも思わなかったという。衝撃の後編へ続く。

取材/文 中小林亜紀
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