70代・独居女性「それじゃあ、明日も来るよ」急増するコンビニ通いのシニア…業界の高齢者獲得競争に潜む“恐ろしすぎるコンビニのワナ”【FPが解説】

コンビニ業界首位の「セブンイレブン」の来店客は、かつては20代以下の若者利用者が6割程度でしたが、最近は約2割にまで減少。一方50歳以上は5割程度に増加し、中でも65歳以上のシニアが急増していると言われています。…経済アナリスト兼FPである佐藤健太氏は、「コンビニ通いは老後生活に大きな悪影響を及ぼす可能性が高い」と言います。

(中略)

シニアのコンビニ通い急増のワケ
日々の生活で、「節約」の最大の敵は何かと言えば、実はコンビニです。

とにかく便利なコンビニ。かつては若者の姿が目立っていましたが、今は高齢者の利用者が増加しています。コンビニ業界はシニアをターゲットにする時代に入り、激しい高齢者獲得競争を展開しています。しかし、コンビニの利用頻度が高くなっていけば老後生活を圧迫する要因にもなりかねないため注意も必要です。

「これは今夜の夕食。それは明日の分だよ」。横浜市のコンビニで総菜や弁当をレジカウンターに置くのは、近所で一人暮らしをする70代女性。両手からあふれそうになるほど商品を持ち、顔見知りとなったアルバイト店員と会話を交わしています。電子レンジで弁当を温めている間に小銭入れから硬貨を取り出し、「それじゃあ、明日も来るよ」とビニール袋を手に帰って行きました。

こうした光景を目にしたのは1度や2度ではありません。皆さんもあるのではないでしょうか。独居シニアが増えている今、こうした状況が全国のコンビニで見られています。業界首位の「セブンイレブン」の来店客を見ても、かつては20代以下の若者利用者が6割程度に上っていましたが、最近は約2割にまで減少していることが分かります。若年層のコンビニ離れが進む一方で、50歳以上は5割程度に増加しました。人口の高齢化を考えれば、中でも65歳以上のシニアが急増していると考えられます。

その背景には、情報感度が高いといわれる若者がネット通販やディスカウントストアに向き、単身世帯が約3割を占めるシニアは身近にあるコンビニを利用するようになったとみられています。コンビニはもともと、総菜や菓子類などが小分けされている点など一人暮らしの人とマッチしており、わざわざ商店街まで出向いたり、混雑するスーパーで並んだりする必要がないことも高齢者にとっては利用する動機になります。

足腰が弱くなり、早朝から動き出すことが多いシニアには24時間営業の店が身近にある点は使い勝手が良いのでしょう。1989年に来店客の約6割を占めていた20代以下も今や50~60代。利用者の高齢化は進む一方です。

(中略)

都市部に集中するスーパーと比べれば、食料品や文房具などの購入、公共料金の支払いまで身近にある1つの店で済ませられる点はコンビニ利用の最大のメリットと言えます。しかし、仮に朝・昼・夕の食事をずっとコンビニだけに依存した場合はどうなるでしょうか。

スーパーとの驚愕の差

仮にスーパーよりも販売価格が1.5倍高いとして計算した場合、1回当たりの食費が750円であれば、コンビニには1日に2,250円支払っていることになります。コンビニは定休日がないため、1ヵ月続けると月に6万7,500円。1年間では実に81万円です。これが1回当たり500円のスーパーであれば、単純計算で1日1,500円、月に4万5,000円、1年で54万円となり、その差は27万円にもなります。

老後生活の5年間なら差は135万円、10年間では270万円です。もちろん、すべての商品が1.5倍というわけではなく、あくまでも仮定の話にはなりますが、決して小さいものではないでしょう。超高齢社会の到来で利便性が高いコンビニのシニア利用者は今後も増えていくことでしょう。しかし、その際には自らの所得や資産も頭に入れておくのが肝要と言えます。

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