198の橋を管理する十和田市。
2021年、そのうちの1つの廃止を決めた。

水田が広がる地域にかかる「第2下川原橋」。62年前(1961年)に建設され、生活や農作業のルート、それに子どもたちの通学路としても使われてきた。
2018年に調査を行ったところ、老朽化により「早期に補修が必要」と判断された。現場を訪れると、橋の四隅にある親柱が傾き、多数の亀裂も確認できる。
補修には600万円以上かかると試算。利用実績も勘案して検討した結果、橋を撤去する方針を決定。住民への説明を行った。

この地区の町内会長、山下善道さん(71)。橋がなくなると生活に影響が出ると感じながらも、地域の安全のためにしかたがないと、市の方針を受け入れた。
「子どももお年寄りも生活に使ってきました。向こうが田んぼなので、軽トラで荷物を運んだりとか苗を運んだり。う回路はぐるっと回る距離なので、何にしても年寄りは近いほうがよかったです。
さみしいですけど、事故があってからでは大変なので、あきらめるしかありません」

雪をかぶった「第2下川原橋」は、通行止めになったまま、撤去の時を待っている。

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/96528.html