ジェネリック医薬品の供給が「不安定」になった理由とは?メーカー幹部からは怒りの声
10/31(日) 8:52配信

日本の医薬品市場は世界3位の規模を誇るが、コロナワクチンの開発では
日本の製薬メーカーは完敗した。それだけではない。ここにきて目に余る
不祥事も続発している。今、この業界で何が起きているのか? 
気鋭のジャーナリストがその闇に光を当てる。

医療業界で続発する不祥事と政府による薬価引き下げ政策
「いつものお薬、在庫が切れているので、今回は同じ成分の、
別のお薬に変更となりました」

 かかりつけの医師が出してくれた処方箋なのに、薬局でこんな“言い訳”を
耳にする機会が増えていないだろうか?

 実は今、医薬品業界で、静かに、そして、ゆっくりと、大きな地殻変動が
起きている。コロナ禍の喧騒にかき消されているが、この1、2年の間で、
ジェネリック(後発医薬品)を中心に薬の供給が極めて「不安定」に
なっているのだ。

 確かに、数年前から薬の流通が滞るアクシデントはあった。だが、
今回の供給不足はその比ではない。なぜなら、慢性心不全の標準治療薬として
用いられる「ビソプロロール」や副腎皮質ホルモン製剤の「デカドロン錠」
(デキサメタゾン)、さらには、新型コロナ感染症の血栓症や人工透析にも
使用される抗凝固薬「ナファモスタット」といった、命にも直結する
キードラッグも多く含まれているからだ。

「ビソプロロール」は今年7月、供給が一時停止。最小限の影響でとどめる
代替薬もあるが、高血圧症や不整脈、狭心症といった基礎疾患の心臓負担を
軽くする重要な薬であるため混乱が広がった。

 日本薬剤師会が’21年8月25日付で公表した「ジェネリック(後発医薬品)の
供給状況」に関するアンケートによると(回答数166薬局)、入手困難となっていた
医薬品は実に3173品目にも上る。市場から姿を消した理由は「出荷調整」が
最多で、回答中7割が「入手困難」を訴えた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f7d88250721ffa9a5d65a6902ea139b5238ebd40