【北京、シドニー=共同】中国外務省の趙立堅副報道局長は25日の定例記者会見で「中国は全力で東京五輪開催を支えた。日本には基本的な信義があってしかるべきだ」と述べ、日本に来年2月の北京冬季五輪を支持するよう求めた。

中国の人権問題を理由に北京五輪に政府高官らを派遣しない「外交ボイコット」の検討が広がっており、中国は日本が同調するのを阻止したい考えだ。

シドニー・モーニング・ヘラルド紙は25日、オーストラリア政府が外交ボイコットを検討していると報道。オーストラリアは同様の措置を検討している米国や英国などに同調する構え。趙氏は会見で「中国はスポーツの政治化に反対する」と反発した。

趙氏は、自民党の外交部会長が米政権の「外交ボイコット」検討に触れ、林芳正外相の訪中に関し「間違ったメッセージを海外に出すことになる」と24日述べたことに反発。「北京五輪と(日中)双方の政治問題を関連付けることに中国は断固反対だ」と訴えた。

また「中日両国には互いに五輪開催を支持するという重要な共通認識もある」と強調した。

報道によると、オーストラリア政府は中国元副首相との不倫告白後に動静が一時分からなくなったテニス選手彭帥さんを巡る問題も懸念。公式にボイコットとは称さないが、ペイン外相やコルベック・スポーツ相らの派遣を見送る案などを検討しているという。
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